タバコは口の中に良くない?!🚬🚭

喫煙したくてイライラしている人 お口の悩み

みなさん、こんにちは!

喫煙によって、肺癌などの病気になってしまうことは広く知られていることですが、実は、口の中にも悪い影響が沢山あるのです。近年、喫煙者の数は急激に減少しておりますが、まだまだ多く存在します。嗜好品の一つでもあるタバコは吸うことを強制的にやめさせることはできません。そこで、今回のブログで、歯科的に喫煙の有害事象を知ってもらうことで、喫煙している方に少しでも禁煙を考えるきっかけを与えられたらなと思います。

喫煙による歯科的な有害事象は3つあります。

1つ目は、口腔がん(口の中のがん)になる可能性が高まることです。実は、タバコを吸うことでなるがん(悪生新生物、癌、悪性腫瘍)は肺癌だけでは無いのです。口の中には、歯肉、舌、頬粘膜、口腔底など、歯以外にも様々な部位があります。基本的に、歯ががんになることはありませんが、歯肉がん、舌がん、頬粘膜がん、口腔底がん(舌の下の軟組織にできるがん)は存在します。タバコの煙に含まれる多数の有害な発癌性物質がそれぞれの粘膜から吸収され、DNAを損傷させてしまうことで起こるのです。特に舌がんは、2019年に女優の堀ちえみさんがなり、舌の6割以上を切断したニュースは記憶に新しいのでは無いのでしょうか。堀ちえみさんが喫煙者であるかどうかは定かではありませんが、実際になってしまうと舌の多くの部分を切断しなければならなくなる舌がんになる可能性を高めてしまう喫煙は、一歯科医師の視点からもあまりおすすめはできません。

2つ目は、歯周組織の血管が収縮してしまうことです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、全身的な影響としては血圧を上昇させてしまいます。しかし、影響は口の中にも現れます。歯周病にかかった患者さんがどのくらい炎症が進んでいるかを歯周ポケットからの出血により、確認する検査があります。しかし、喫煙者の方は歯周病にかかっていても、ニコチンの作用により、検査による出血が確認できずに、炎症の有無が分からないので、正確な診断が下せなかったり、もしかすると、歯磨きによる出血が見られなかったりして、自分が歯周病であると思わずに、歯科にかからないかもしれません。しかし、もし出血はなくとも、歯周病の患者さんの口の中では、歯周病細菌による歯周組織の破壊は確実に進んでいるのです。このことを、喫煙により歯周病という病的な状態が一部隠されるという意味で『マスクされる』と言ったりします。また、歯周病の治療をして、さあ歯周組織が治っていくぞという時にも、病的な歯周組織が治っていく時には、健康な血流が多く必要です。しかし、タバコを吸っている人は、血管が収縮して、健全な血流が十分に供給されないことがあり、それによって、病的状態が治るスピードが遅くなるのです。喫煙によって、歯周病の発見や状態の確認が難しくなったり、歯周病が治るスピードが遅くなったりします。喫煙は、歯周病への『片道切符』です。

3つ目は、歯の着色を落とす治療の際の注意点です。近年は、美容面の意識が高まってきており、もちろん歯科領域においてもその波はきています。その代表例の1つがホワイトニングです。歯の表面に、タバコ(タールによる色素沈着)、茶、カレー等の色の強いものによって、歯の表面が着色されてしまいます。それらの色をホワイトニングによって落とすのです。ホワイトニングはほとんど『自費』であり、『保険』の適応ではありません。(自費や保険については下記URL参照)また、ホワイトニングの効果を高めるためには、喫煙を控えることが推奨されます。ホワイトニング直後は、歯の表面が敏感になっているので、ヤニが付着しやすく、効果が半減する可能性が高いのです。

本日は、喫煙による歯科的な有害事象について書かせてもらいました。タバコには他にも有害な点は多くあるとは思いますが、ご家族や周りの人に禁煙をさせたい喫煙者の方がいる場合はこのブログを見せることで、説得の一助にでもしてもらえればなと思います。

本日もありがとうございました!!!☺️

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