口臭は勘違いかも、、、?

口臭を出す男性 歯科医師国家試験

はじめに

今回は、口臭について書いていきます。

口臭とは、『生体活動に関連して産生された気体のうち、生理的なもの、病的なものを問わず、口腔を通って排出される社会的容認限度を超えた不快なにおい』と定義されています。

なぜ歯科関係のBlogで口臭?と思ったかもしれませんが、実は、口臭は歯科医師国家試験の範囲であり、歯科が携わる領域なのです。

今回は、口臭の検査法や分類等について書いていきたいと思います。

①口臭の分類とそれらの対応法

参考文献:口腔保健・予防歯科 第1版

口臭の分類は上記の表のようにまずは大きく3つに分かれます。

口臭の分類

1.真性口臭症 社会的容認限度を超える明らかな口臭が認められるもの

2.仮性口臭症 患者は口臭を訴えるが、社会的容認限度を超える口臭は認められず、検査結果などの説明により訴えの改善が期待できるもの

3.口臭恐怖症 社会的容認限度を超える口臭は認められず、検査結果などの説明により訴えの改善が期待できないもの

簡単にわかりやすく言うと、

・真性口臭症は、本当に口が臭いこと。

・仮性口臭症は、軽い口臭の気にしすぎ。

・口臭恐怖症は、重度の口臭の気にしすぎです。

特に、この中の真性口臭症の中には、下記の3つの分類があります。

真性口臭症の3つの分類

❶生理的口臭 器質的変化、原因疾患がないもの

❷口腔由来の病的口臭 口腔内の疾患や舌苔・プラークが原因

❸全身由来の病的口臭 内分泌系、耳鼻咽喉系、呼吸器系などの疾患

これらの対策としては下記画像のとおりです。

参考文献:口腔保健・予防歯科 第1版

②口臭検査の方法

では、実際に口臭を訴える患者さんが来た場合行う治療はどのようなものがあるのかを書いていきます。

❶官能検査

この検査は直接患者さんの口臭を嗅ぐ検査です。ある程度離れて、息を嗅いで検査する検査で非常に原始的な検査です。しかし、人の口臭は実際には200種類以上の生体由来の揮発性ガスと混合しているため、機械によりいくつかの口臭の指標を測定して、客観的な検査を行うのでは不十分です。最終的には、ヒトの嗅覚によって口臭を判断することが必要不可欠なのです。

ガスクロマトグラフィ検査

この検査は、ヒトの口臭の大きな原因が揮発性硫黄化合物であることを踏まえて、大きな原因となっている3種類の揮発性硫黄化合物を測定する検査です。3種類の揮発性硫黄化合物とは、硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドです。生理的口臭患者では、硫化水素の産生が多く、歯周病患者では、高い濃度のメチルメルカプタンが特徴です。この検査方法の利点としては、3種類の揮発性硫黄化合物のそれぞれの濃度をバラバラに測定できることや、官能検査と比べ、非常に客観性が高いこと等が挙げられます。

❸半導体ガスセンサー検査

この検査は、ガスクロマトグラフィー検査と同様に、揮発性硫黄化合物を測定するのですが、その濃度を一括で測定します。3種類の硫黄化合物の濃度をそれぞれ測定できたほうが、口臭の原因に非常に有効であるため、この検査はその点からは有用度は低いです。しかし、機器が小型で使いやすいため、スクリーニング的に利用するならば、非常に有効であると考えられます。

おわりに

今回は、口臭について、定義や検査法について簡単に書いてみました。

世の中には、口臭をケアするお菓子や口臭ケア用品はたくさんあります。

しかし、疾患による口臭の場合は、そんなケア用品等ではあまり改善は見込まれません。

自分の口臭が気になって仕方のない時や、異常であると誰かに指摘された時には、遠慮せずに病院にかかりましょう!

以上

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